おはようございます。
私にできるかな…が、私にもできる!!に変わる
「未来を切り拓くビジネス英語」パーソナルコーチ Hiromiです。
週末なので、趣向を変えて、Hiromiの話にお付き合いください。
数年前に、実際にあった話です。
たったひとりの海外営業
その頃の私は、大規模な日系企業のグループ会社に海外営業として勤務していました。
前の外資系に勤めていた頃のサプライヤーに
ぜひともと乞われて、総合職として転職したのです。
古い体質の企業でしたから、男性・女性ではっきりと職種が分かれており
アシスタント業務に就かない私は、女子から少々偏った距離感を持たれていました。
その企業は、海外顧客の開拓に注力していたにも関わらず
英語を理解できる唯一の社員が、当時の社長だけであったための採用でした。
そのため、私の周りには、前例のないことばかり起こりましたが
特に大きな問題はなく、忙しい日々を送っていました。
欧州へのアプローチ
自動車関連企業であったため、海外顧客の開拓の中心は
ドイツ・イタリア・合衆国とその近隣諸国へのアプローチでした。
当時は、リーマンショックから抜け出す道を誰もが探しており
我が社は運よく、ドイツとイタリアの企業と取引ができる見込みが立ったのです。
それなら、海外出張に行って、Face-to-Faceで腹を割って話してこよう!
会社として初めての海外出張ではありませんでしたが
なんせリーマンショック後、久しぶりのことでした。
誰が、海外出張へ?
さて、出張メンバーの選定となりました。
私と同期入社の開発部 Sさんは、奇しくも同じ外資系企業からの転職組で
当然、出張メンバーとなりました。
ところが、待てど暮らせど、私に声がかからないのです。
顧客との打ち合わせ日時も決まっていたので、チケットを早めに手配したいのに
なぜ?なぜ?なぜ、”Hiromiさん、行ってきなさい”と声がかからないの?
さすがに待っておられず、営業部長に直接聞いてみたところ
返ってきた答えは…
壊せなかった、ガラスの天井
”あ~、後輩のMくんに決めたよ。チケットも既に手配した”
青天の霹靂。自分の耳を疑いました。
だってMくんは国内顧客担当で、海外業務には一切、これっぽっちも関わっていないのに
なぜ、彼が選ばれるのか??
理由は、こうでした。
”君の家庭は、母子家庭じゃないか。だからMくんを行かせることにした”
もちろん部長に抗議しましたが、埒が開きません。
その上の取締役と話してわかったのは
女性の海外出張は初めてであること、私がシングルマザーであることが要因とわかりました。
すべて彼らの思い込みが原因でした。
せめて、私に直接問い合わせてもらえれば、私は欧州出張に同行できると説明できたのに。
悔しかった、すごく悔しかった。
悔しさを我慢できず、トイレの個室で声を殺して泣いた。
これが、あのガラスの天井か?それとも壊れたはしごか?
何が私に足りなかったのか?
子供を抱えたシングルマザーは、担当者であっても海外出張に行けないのか?
いくら実務をこなしても、このガラスの天井は壊せないのだろうか?
苦い思い出を
今まで働いてきて、いちばん悔しくて、苦い思い出です。
その後どうなったか、気になりますか?
そうですね、続きは来週末にお話しましょうか。
今日はこのあたりで。
またお会いしましょう。
<補足>
・ガラスの天井:資質・実績があっても女性やマイノリティを一定の職位以上には昇進させようとしない組織内の障壁を指す 。鉄でなくて ガラスであるのは「目では見えない障壁に阻まれている」ことからの表現である。
・壊れたはしご:昇進の階段を上るとき、女性の階段(はしご)は壊れているので、最初の一段から足を踏み外し、なかなか上へ登れない、というもの。
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