誤解してるかも!? – ペンは剣よりも強し

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この有名なことわざは、別の解釈がふさわしい

おはようございます。

私にできるかな…が、私にもできる!!に変える

「未来を切り拓くビジネス英語」パーソナルコーチ Hiromiです。

「ペンは剣よりも強し」の意味は、「言論の力は政治権力よりも民衆に大きな影響がある」

そう信じていたのですが、違った解釈があるようです。

一緒に調べてみましょうか。

戯曲『リシュリー』

「ペンは剣よりも強し」 The pen is mightier than the sword.

これは、1839年にイギリスで発表された戯曲「リシュリー」に出てくる言葉です。

まず単語に注意してみると、strongでなくmightyが使われていますね。

 strong: 「強い」という一般的な意味

 mighty: 強いだけでなく「巨大な」というニュアンスを含む

巨大な力が働いているということでしょうか?

状況確認の意味を込めて、実際の戯曲を見てみましょう。

(リシュリューは部下の司令官らによる自分の暗殺計画を発見するが枢機卿という聖職者の身分ゆえに武器をとることができない。)

フランソワ(リシュリューの配下の一人)
「しかしいま、猊下の部下たちは武器をもっております。枢機卿猊下」

リシュリュー
「これは本当のことなのだ!—
まことの技倆の持ち主の手におさまるならば、ペンは剣よりも強し。
見よ、この魔法使いの杖を!—
それ自体は何の役に立たん、無だ!—
魔法使いの魔法は、それを自在に操る手から繰り出されるのだ。
帝王(カエサル)の力を奪い、これを追い払い、騒がしい大地を息の根を止める魔法は、だ!だから剣を捨てよ。—
そんなものがなくとも国家は救われる!」

Wikipediaより引用

実在の人物『リシュリー』

リシュリーは実在の人物です。どんな人かというと

  • リシュリー:17世紀のフランスで、ルイ13世の時代に宰相を務めた聖職者かつ政治家

Wikipediaにもあるように、リシュリーは聖職者であるため

自分を暗殺するために、部下が手に武器を持って立ち上がっても

リシュリー自身は、自分の身を守るために武器を取ることができないのです。

そこで彼の口から出た言葉が 「ペンは剣よりも強し」

魔法使いの魔法(=ペン)は、それを自在に操る手(=リシュリー)から繰り出される。

騒がしい大地の息の根(=暗殺計画)を止める魔法は – ペン – だ。だから剣を捨てよ。

あれ?ペンが止めるのは暗殺計画なの?

政治権力に立ち向かうのではないの??

ルイ13世下のフランスの宰相ですから、強大な権力を持っています。

彼のその権力(=ペン)を以て、部下の反乱(=剣)を止めるということは

高い地位にあるリシュリーが命令さえすれば、部下は逆らえない!

反乱者への死刑執行のサインは、このペンで行うのです。

これが『ペンは剣よりも強し』の本当の意味。

私たちが信じていた「言論(=ペン)は政治権力(=剣)に屈しない」とは違うようです。

誤解のない日本語訳

では、この英文はどう解釈すればいいのでしょうか?

 The pen is mightier than the sword.

やはり、「ペンは剣よりも強し」しかない。

ということは、日本語に訳す時に気を付け、誤解を避ける表現を使う必要が出てきますね。

”言論は政治権力に負けないぞ!” と伝えたいのであれば

  • 言葉は剣より強し
  • 舌は刃より強い

悩むところですが、英文の周辺の状況を詳しく感じ取り

読む人に、英文の意味を複数通りに解釈させてしまう日本語訳は気をつけたいです。

英語を学ぶ日本人として、改めて考えさせる1文です。

  The pen is mightier than the sword.

まさに「ペンは剣よりも強し」 最強なことわざです!

今日はこのあたりで。

またお会いしましょう。

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